11月24日(日)「進まない東日本大震災の復興事業。」

いわき市久之浜町の津波被災現場では高く盛り土された神社がそのまま残されているのが印象的でした。この建物は保存される予定とのことでした。

私が委員長を務めている県議会の防災・エネルギー対策特別委員会で11月19日に福島県いわき市の震災復興事業の調査に行ってきました。先月の飯館村の除染作業の現地視察に続いて今年二度目の福島県への訪問となりました。滋賀県は震災後、福島県に対して避難所への職員の派遣などを行い、今も技術職員が復興事業に協力をしています。私も震災直後には福島市の避難所の激励や南相馬市の被災状況調査で訪問させていただきました。福島県は地震、津波に加えて福島第一原発事故による原子力災害というこれまで経験したことない災害に見舞われ、いわき市では追い打ちをかけるように火災の被害や窃盗の被害が加わり、まさに五重苦の状態だとおっしゃっていました。

今回の調査ではいわき市久之浜町の津波被災現場に行き、慰霊塔への参拝の後、住民のみなさんのお話を伺ってきました。商店街などが全壊しましたが、2年8ケ月経過してやっと土地利用計画も決まって、訪問時にコンクリートなどのがれきの撤去が始まっていました。住民の方が現在のこの姿をしっかり目に焼き付けて、事業が終わったらもう一度生まれ変わったこの地を見に来てほしいとお話しされていました。

いわき市では漁業への風評被害などで苦しんでおられますが、訪問時には試験操業が行われ、安全性へのPRにも取り組んでおられます。飯館村などの除染作業がなかなか進まない中で、こうした漁業や農業への影響をみますとあらためて原子力災害の恐ろしさを痛感します。先日、滋賀県でも原子力災害時の琵琶湖への影響等のシュミレーション結果が報告されましたが、こうした福島の現状をしっかり検証したうえで原発ゼロへの道筋をつけることが今に生きる我々の使命であると思います。

お忙しい中にもかかわらず、被災体験などお話をしていただいた住民のみなさんやNPO等の関係者の皆さんに心から感謝申し上げますとともに、視察の成果を滋賀県の防災対策にしっかり反映させていくことお誓いします。

NPO法人ふよう土2100の理事長さんに仮設の浜風商店街や被災現場のご案内をいただきました。

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